映画評「恋する女たち」(1986年)

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1986年日本映画 監督・大森一樹
ネタバレあり

D・H・ロレンスの同名小説を1969年にケン・ラッセルが映画化した同名邦題の作品があるが、全く関係ない。

40年くらい前に観てひどく気に入った記憶がある。大森一樹監督作品では「ヒポクラテスたち」(1980年)も面白かったが、本作こそ最高作になるのではないかと思った。さて、今回の感想はどうなるでしょうか。
 原作は名前だけは記憶のある氷室冴子。漫画家かと記憶していたがライトノベルの作家でしたよ。今ほどコミックの映画化がない時代でしたね。

恐らく高校2年生の仲良し三人組即ち、斉藤由貴、高井麻巳子、相楽ハル子の恋愛をめぐる心情と騒動を描いている。
 由貴嬢は自分が野球部の柳葉敏郎君を好いていることに気付くが、自分に視線を投げかけて来るのは姉の家庭教師時代の教え子、一年生の菅原薫(=一瞬尾美としのりかと思った)である。麻巳子嬢を巡ってバイクでの決闘をするのは柳葉君で、その前から失恋を確認していたが、心情は複雑。ハル子嬢は事あるごとに悪友二人を巻き込む葬式ごっこを行っている。
 かかる騒動を経て留年して未だに一年生の美術部員・小林聡美のヌードモデルになり、文化祭での展示で柳葉君をぎゃふんと言わせてやろうと思う。

話は当時の他の恋愛青春映画と大差がないものの、僕が気に入ったのは、とりわけ序盤の葬式ごっこの呼吸の良さである。リズムと言い替えても良いが、この呼吸の良さが僕を大いに感心させた、或いは今回もかなり感心させるのである。

その後も呼吸の良さを維持しつつ快調なテンポで進んで、時に思春期らしい切ない心情を打ち出しつつも、明朗な青春映画として非常に愉快に観終えることが出来、前回ほどではないとは言え、満足度は高い。こういうアイドル映画をうるさい連中は嫌うが、良い映画と思う。

ニワトリはハダシだ、もとい、映画は呼吸だ。

この記事へのコメント

蟷螂の斧
2026年05月10日 19:21
こんばんは。当時僕は斉藤由貴、高井麻巳子、相楽ハル子と言ったタレントに全く興味がわきませんでした。この手の映画も見ませんでした。ところが2,3年前に録画して見たら面白かったです。そして彼女たちは可愛くて輝いていました。

序盤の葬式ごっこ。これはユニークでした。
オカピー
2026年05月11日 15:22
蟷螂の斧さん、こんにちは。

中学時代はともかく、高校時代くらいから出演者ではなく監督者の名前で観るようになっていた為、これは大森一樹の監督作品として観て、なかなかやるわいねと思いましたね。

TVを余り見ない人間だったので、斉藤由貴にアイドルという印象も持っていませんでしたね。多分この映画で初めて見たと思います。
蟷螂の斧
2026年05月14日 07:19
おはようございます。僕はこの手の作品は出演者に注目してしまいます。小林聡美の存在感はやはり凄かったです。当時25歳の柳葉敏郎も高校生(野球部員)役を好演。
そして菅原薫(菅原加織)。がんばっていましたが、31歳の若さで・・・。
オカピー
2026年05月14日 22:04
蟷螂の斧さん、こんにちは。

>菅原薫(菅原加織)

菅原文太のご子息ですか。
父親より早く死んではいけないねえ。