映画評「COUNT ME IN 魂のリズム」

☆☆★(5点/10点満点中)
2021年イギリス映画 監督マーク・ロー
ネタバレあり

ビートルズの「ぺーバーバック・ライター」で格好良いと思って以来ロック・バンドで一番耳を傾けることが多いのはベースなのだが、バンドによってはドラムで聴くこともある。
 現在わが音楽ブログ【オカピーの採点表】で取り上げているレッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムはドラマーとしてNo.1の地位は、私的にも公の投票結果でも、揺るがない。パワーが凄い。

ドラマーの心意気を現役のドラマー、スチュワート・コープランド(ポリス)、シンディ・ブラックマン(サンタナ)、エミリー・ドーラン・デーヴィズ(ダークネス)、ニック・メイスン(ピンク・フロイド)、サマンサ・マロニー(ホール)、ロジャー・テイラー(クイーン)といったロック・バンド・ドラマーやスタジオ・ミュージシャンたちが語り、彼らの回想を時系列に整理していくと、ロック・ドラマー史の体を成す。

60年代にデビューしたロック・バンドのドラマーは概ねジャズの素養がある。リズムの正確性をジャズで習得した人が多いのである。
 本作の証言者の一人ジンジャー・ベイカー(フッテージでの登場)もドラマーを語る上では最重要で、僕もクリームを聴く時はドラムスで聴くことが多い。クリームのレコードもツェッペリン同様ドラムスの音圧が高い(曲が多い)せいもある。ちょうど1966年にレコードが大きな低音を収録できるような技術が進んだ時にクリームがデビューしたのである。

この二人に並ぶ人気ロック・ドラマーはザ・フーのキース・ムーンだろう。リンゴ・スターは彼らと違って他の演奏者をサポートするタイプのドラマー(だから基本的にドラム・ソロはなかった)で、実力は引けを取らない。昔は馬鹿にする人も結構いたような気がするが、今そんなことを言う人はセンスがないと言われる。唯一のドラム・ソロは文字通りビートルズ最後の曲 The End で披露されてファンを痺れさせた。
 70年代にデビューした中では証言者でもあるコープランドの評価が高い。

個人的には、本作インタビュイーでもあるフロイドのメイスン、ドアーズのジョン・デンズモア(ジャズ出身)も好きだ。近年メイスンの評価が低い気がする。デンズモアはアート的な長い曲「ハートに火をつけて」「ジ・エンド」で真価を発揮する。是非聴くべし。

本(構成)を書いた三人のうち女性が二人ということもあり、主たるインタビュイーのうち女性ドラマーが三人と相対的に多いのが極めて現在的であるが、実際実力のある女性ドラマーは増えている。どなたかの証言で女性こそドラマーに向いているという意見があった。差別などに対する怒りか何かの思いをぶつけると言うのだ。

音楽ドキュメンタリーとしては取り立てて変わったことをしているわけではないし凡庸の域を出ないだろうが、結構有名どころが証言者として出ているところに有難味がある。

【オカピーの採点表】もアクセスは大分増えてきたものの、コメントが少ないとブログ主が淋しがっている。皆さん遠慮していらっしゃるのだろうが、僕などは楽器も扱えない素人なので、好きなことを書いてくだされば良いのだが。

この記事へのコメント

2026年05月13日 21:57
こんにちは。

映画はまだ観ていませんがUNEXTにあったので近日中に観てみます。
シンディブラックマンが出てますかね?
昔レニークラヴィッツのバックでかっこいいお姉さんがドラムやってるなぁと思ってたら、何と最近偶然観たサンタナのバックでドラムやっててちょっとびっくりしました。更にびっくりなのが何と!彼女、サンタナにプロポーズして結婚したらしいですね。

日本のドラム女子といえばよよかちゃんですね。

https://youtu.be/d8iYNZeMMZ0?si=osHTMOuVSbHJGLxc

今はもう渡米して高校生くらいになって、ロバート・プラントにも会えたようで今後の活躍が楽しみです。

ちなみに私はクリームはベースファーストで聴く派です。
ジンジャーベイカーはドラムソロ長すぎや 😅


モカ
2026年05月13日 22:00

お名前入れ忘れました。多分、わかってもらえるかなとも思いましたが、キースムーン大好き、とか書き忘れたので…
オカピー
2026年05月13日 23:10
モカさん、こんにちは。

>シンディブラックマンが出てますかね?
>何と!彼女、サンタナにプロポーズして結婚したらしいですね。

出ていますよ。
仰るように、この映画では、シンディ・ブラックマン・サンタナとなっていました。

>日本のドラム女子といえばよよかちゃんですね。

以前「報道ステーション」でも紹介されていました。
この時8歳ですよね。凄いなあ。
慣れればできるそうですが、手と足を違うリズムで動かすなんて芸当は僕には到底できません。

>クリームはベースファーストで聴く派です。

ジャック・ブルース良いですねえ。
「クロスローズ」はベースで聴きます!

>キース・ムーン

ザ・フーは2回の大型システムで聴くことが少なく、まだ本領掴めず。
勉強します。
モカ
2026年05月15日 20:58
こんにちは。

昨夜観ましたが、後半は知らない人ばっかりなので飛ばしてしまいました。

太鼓って楽器の歴史の中でも太古からある最古参の楽器なんでしょうね。
文字を持たないアフリカ大陸では離れた部族間の連絡手段であり、祝祭の伴奏でもあったとか…プリミティブなエネルギーを感じますね。

キース・ムーン
 私は今もフーの事は殆ど知らないし興味もないんですよ。
ただ中学生の頃に初めて聴いたフーの曲が “Happy Jack “ で、これを聴いた時初めてドラムの存在に気がついたのですよ。あのドンドコドコドコドンドコドコドコなドラムが気に入って、ドラムっていいなぁと思った最初でした。

 ビートルズが来日した頃の話ですし、ミュージックライフとかの音楽雑誌も読まなかったので文字通りフーって誰や? って笑ってた覚えがあります。
あの時何にも分からないのにあのポップな曲のドラムに注目した自分を褒めてあげたいと思います。
 
オカピー
2026年05月15日 22:23
モカさん、こんにちは。

>後半は知らない人ばっかりなので飛ばしてしまいました。

僕も女性陣はシンディ・ブラックマン以外は知らないのですが、ポリスのスチュワート・コープランドは超有名。70年代後半デビューですからモカさんはご存じないということか^^

>アフリカ大陸では離れた部族間の連絡手段であり、祝祭の伴奏

僕のご贔屓ピンク・フロイドが初期の頃にこうしたプリミティヴな感覚を出した曲が幾つかありますよ。

>“Happy Jack “

なるほど。ザ・フーがまだコンセプト・アルバムに傾く前(初期)ですね。この時代は解りやすくて良いです。

僕のコメントで“2回の大型システム”とありますが、勿論“2階の大型システム”の間違いです(笑)
【オカピーの採点表】での音質評価はこちらで行い、とりわけベースとドラムスの傾向を掴んだ後、一階のミニコンポで曲の細目に当たるようにしています。

モカさんちのシステムの調子はいかがですか?
当方、使っていないオーディオ製品を引き取って貰って5万円ほどゲット。
最近自作スピーカーに興味があり、フルレンジのスピーカーも面白いと思いますが、ロックを大音量で聴くのは無理がありそう。
ハードオフに行った時に一本3万円ほどの中古自作スピーカー(フルレンジのバスレフ)を発見してほしくなったものの、音質の確認ができないのではね。
モカ
2026年05月16日 21:07
こんにちは。

>僕のご贔屓ピンク・フロイド
 
  牛のレコードならまだ家にありますよ。あの牛は里子に出したいけど誰も欲しがらない ^^
 ゼペリン(ツェッペリンをピーターバラカン流に書いてみました)は全部貰い手がありましたね。今でも需要はあるみたいです。
  

我が家のオーディオは何故か最近調子いいです。まぁでも人間と機械が寿命を競い合ってる感じですね… あと10年、何とか共に頑張ろう! お互い無理は禁物です。
オカピー
2026年05月16日 22:27
モカさん、こんにちは。

>>僕のご贔屓ピンク・フロイド
>牛のレコードならまだ家にありますよ。あの牛は里子に出したいけど誰も欲しがらない ^^

「原子心母」は暫く評価が高かったですが、「狂気」「炎」と今でも大人気の傑作が出てから陰に隠れてしました。
個人的には「狂気」「ザ・ウォール」の次に好きなアルバムで、このA面のタイトル曲のドラムスは結構良い音で録音されていて、好きです。

>ゼペリン(ツェッペリンをピーターバラカン流に書いてみました)は全部貰い手がありましたね。今でも需要はあるみたいです。

人気がありますよ。
Wikipediaのアクセス数で、ビートルズに次ぎます。
ツェッペリンはドイツ語式発音なので、僕の持っている【ローリング・ストーン誌レコードガイド】の翻訳も英語式にゼッペリンとなっていますね。