映画評「刑事エデン/追跡者」
☆☆★(5点/10点満点中)
1992年アメリカ映画 監督シドニー・ルメット
ネタバレあり
30余年前にWOWOWで観た。シドニー・ルメット監督お得意の刑事映画であるものの、余り感心できなかった記憶がある。今回はNHK-BSで再鑑賞。
ニュー・ヨークのダイヤモンド市場を支配するユダヤ教ハシド派地区でダイヤ研磨を担当する若者が高級ダイヤともども行方不明となり、女性刑事エミリー・エデン(メラニー・グリフィス)が私立探偵よろしくその行方を追うことになる。内部に入ってさほどしないうちに天井に色の変わっている部分に気付き、行方不明者の発見に至る。
かくして殺人事件となり本腰を上げ、厳格な律法順守を義務とするコミュニティーに入っていかざるを得ず、復帰者を装って宝石店に常駐する。ここに指導者レッベの養子アリエル(エリック・サル)という将来有望とされる若者がいるのだが、エミリーは彼に外部でやっていけるだけの能力を感じ取り揺れる思いを抱くが、彼の方では会ったこともない女性を "運命の人" と思って決めた婚約を解く気持ちにはならない。
他方、宝石店にみかじめ料を取りに来たヤクザ兄弟を逮捕しようとして逃げられた挙句二人を死に至らしめる。被害者の物品を持っていた為に事件解決と思われるも、兄弟の死に際の言葉に真実味を覚えて当初の内部犯行説に立ち返り、真犯人を見つけ出す。
原理的な律法に忠実なカルト的なコミュニティーに入り、その中の異性にロマンティックな気分を覚えるという内容において、遡ること7年前の秀作「刑事ジョン・ブック/目撃者」に類似する内容なので、配給会社もパクってかような邦題にした。
しかし、風俗の描出においてかの作品には大分及ばず、刑事映画としての捻りも足りない。ミステリー趣味を打ち出しているのは良いが、その解決自体は凡庸にすぎる。
以前より抑えめとは雖もけばけばしいイメージのメラニーへの、余りに刑事らしくないという指摘は尤もで、実際本作で一番弱い点であろうが、個人的にはこういう刑事がいても良いとは思う。
フランスの刑事映画でも、女優が刑事らしくないと批判された映画がありましたね。男優の場合は“刑事らしくない”がプラスの要素として評価されることがままあるのに対し女優はほぼない。一種の偏見がありますかな。
1992年アメリカ映画 監督シドニー・ルメット
ネタバレあり
30余年前にWOWOWで観た。シドニー・ルメット監督お得意の刑事映画であるものの、余り感心できなかった記憶がある。今回はNHK-BSで再鑑賞。
ニュー・ヨークのダイヤモンド市場を支配するユダヤ教ハシド派地区でダイヤ研磨を担当する若者が高級ダイヤともども行方不明となり、女性刑事エミリー・エデン(メラニー・グリフィス)が私立探偵よろしくその行方を追うことになる。内部に入ってさほどしないうちに天井に色の変わっている部分に気付き、行方不明者の発見に至る。
かくして殺人事件となり本腰を上げ、厳格な律法順守を義務とするコミュニティーに入っていかざるを得ず、復帰者を装って宝石店に常駐する。ここに指導者レッベの養子アリエル(エリック・サル)という将来有望とされる若者がいるのだが、エミリーは彼に外部でやっていけるだけの能力を感じ取り揺れる思いを抱くが、彼の方では会ったこともない女性を "運命の人" と思って決めた婚約を解く気持ちにはならない。
他方、宝石店にみかじめ料を取りに来たヤクザ兄弟を逮捕しようとして逃げられた挙句二人を死に至らしめる。被害者の物品を持っていた為に事件解決と思われるも、兄弟の死に際の言葉に真実味を覚えて当初の内部犯行説に立ち返り、真犯人を見つけ出す。
原理的な律法に忠実なカルト的なコミュニティーに入り、その中の異性にロマンティックな気分を覚えるという内容において、遡ること7年前の秀作「刑事ジョン・ブック/目撃者」に類似する内容なので、配給会社もパクってかような邦題にした。
しかし、風俗の描出においてかの作品には大分及ばず、刑事映画としての捻りも足りない。ミステリー趣味を打ち出しているのは良いが、その解決自体は凡庸にすぎる。
以前より抑えめとは雖もけばけばしいイメージのメラニーへの、余りに刑事らしくないという指摘は尤もで、実際本作で一番弱い点であろうが、個人的にはこういう刑事がいても良いとは思う。
フランスの刑事映画でも、女優が刑事らしくないと批判された映画がありましたね。男優の場合は“刑事らしくない”がプラスの要素として評価されることがままあるのに対し女優はほぼない。一種の偏見がありますかな。
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