映画評「ドラブル」
☆☆☆(6点/10点満点中)
1974年イギリス=フランス=アメリカ合作映画 監督ドン・シーゲル
ネタバレあり
ドン・シーゲルの作品としては、3年後の「テレフォン」ほどおいしくはないものの、大枠では同系列と言って良いサスペンス映画として一通り楽しめる。50年近く前に観たが、内容は忘却の彼方だ。
英軍の基地に入って模型飛行機を飛ばそうとした二人の少年が軍関係者を名乗る男たちに連行される。ジョン・ヴァーノンらのグループが仕組んで身代金目的の誘拐事件である。子供の一人は、アイルランドへの武器密輸を調査中のM16の一員マイケル・ケインの息子で、その密輸を絶滅させる為の資金に当てるダイヤモンドを頂戴しようという算段らしい。
内部事情に詳しい為に内部に犯人に内通している人間が一人いると考えられ、上層部にケインの自作自演の狂言ではないかと考える者も出て来る。ヴァーノンは相棒のフランス美人デルフィーヌ・セイリグと仕組んで、ケインに対する疑いを確固たる“事実”と思わせる作戦を遂行する。
ケインは埒が明かないのに業を煮やして単独行動を開始、ヴァーノンに接近して子供を取り戻そうとし、かくして上司ドナルド・プレズンスは一味と認定してフランスまで捜査官を送り込む。
彼がヴァーノンに嵌められてダイヤモンドを奪われただけでなく、他の二人を殺した犯人として重傷のまま逮捕されて英国へ連行されようとする最中、敵グループが救いの手を差し伸べる。しかし、これも敵の作戦で、これを切り抜けたケインはヴァーノンが息子の隠匿場所と告白した二つの水車のある田園地帯に向かう。
子供の誘拐の絡むサスペンスという意味でアルフレッド・ヒッチコックの「知りすぎていた男」(1956年)を想起させ、終盤の水車では言うまでもなく「海外特派員」(1940年)を思い出してしまう。
以上二点を持ち出さなくても、味方に疑われ味方と敵の両方から逃げつつ敵を追わなければならないという、非常にヒッチコック趣味の作品であるが、シーゲルだから終盤などはサスペンスより暴力+アクションの形で見せている。
それはそれで結構であるものの、ここの処理がテキトーすぎて、裏でヴァーノンを操っていた黒幕の大物がどうなったかよく解らないなど難点も少なくない。その代わりバスに逃げ込んで潜む場面など、緩いが故にニヤニヤと楽しめるところが幾つかある。
原作は、クライヴ・イーグルトンが1973年に発表した出世作で、恐らくヒッチコック作品を着想源にしたと思われる。
ドラブルにトラブル。
1974年イギリス=フランス=アメリカ合作映画 監督ドン・シーゲル
ネタバレあり
ドン・シーゲルの作品としては、3年後の「テレフォン」ほどおいしくはないものの、大枠では同系列と言って良いサスペンス映画として一通り楽しめる。50年近く前に観たが、内容は忘却の彼方だ。
英軍の基地に入って模型飛行機を飛ばそうとした二人の少年が軍関係者を名乗る男たちに連行される。ジョン・ヴァーノンらのグループが仕組んで身代金目的の誘拐事件である。子供の一人は、アイルランドへの武器密輸を調査中のM16の一員マイケル・ケインの息子で、その密輸を絶滅させる為の資金に当てるダイヤモンドを頂戴しようという算段らしい。
内部事情に詳しい為に内部に犯人に内通している人間が一人いると考えられ、上層部にケインの自作自演の狂言ではないかと考える者も出て来る。ヴァーノンは相棒のフランス美人デルフィーヌ・セイリグと仕組んで、ケインに対する疑いを確固たる“事実”と思わせる作戦を遂行する。
ケインは埒が明かないのに業を煮やして単独行動を開始、ヴァーノンに接近して子供を取り戻そうとし、かくして上司ドナルド・プレズンスは一味と認定してフランスまで捜査官を送り込む。
彼がヴァーノンに嵌められてダイヤモンドを奪われただけでなく、他の二人を殺した犯人として重傷のまま逮捕されて英国へ連行されようとする最中、敵グループが救いの手を差し伸べる。しかし、これも敵の作戦で、これを切り抜けたケインはヴァーノンが息子の隠匿場所と告白した二つの水車のある田園地帯に向かう。
子供の誘拐の絡むサスペンスという意味でアルフレッド・ヒッチコックの「知りすぎていた男」(1956年)を想起させ、終盤の水車では言うまでもなく「海外特派員」(1940年)を思い出してしまう。
以上二点を持ち出さなくても、味方に疑われ味方と敵の両方から逃げつつ敵を追わなければならないという、非常にヒッチコック趣味の作品であるが、シーゲルだから終盤などはサスペンスより暴力+アクションの形で見せている。
それはそれで結構であるものの、ここの処理がテキトーすぎて、裏でヴァーノンを操っていた黒幕の大物がどうなったかよく解らないなど難点も少なくない。その代わりバスに逃げ込んで潜む場面など、緩いが故にニヤニヤと楽しめるところが幾つかある。
原作は、クライヴ・イーグルトンが1973年に発表した出世作で、恐らくヒッチコック作品を着想源にしたと思われる。
ドラブルにトラブル。
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