映画評「ミレニアム・マンボ」

☆☆★(5点/10点満点中)
2001年台湾映画 監督ホウ・シャオシェン
ネタバレあり

ホウ・シャオシェンはスケッチの積み重ねで描くタイプだから、起伏の富んだ娯楽性とは無縁であるが、しっとりした情緒にたまらないものがある。とりわけ回顧的な青春映画の諸作はお話の面白さを超え僕の審美眼に適う。
 しかるに、この作品は少々僕とは合わない。そう言えば、オカピーに恋愛心理は解らないという通説がありますよ。

2001年の台北。
 妙齢美人ヴィッキー(スー・チー)は恋人ハオ(トゥアン・ジュンハオ)と刹那的な享楽的人生を遊興店で過ごし、金策の為にホステスになってみるが、ハオの嫉妬に苦しめられる。それを慰めてくれるのがヤクザだがなかなか紳士的な客ガオ(ジャック・ガオ)で、ハオと腐れ縁的な関係を続けるうち、ガオに傾いていく。弟分の不始末の為に日本へ出かけた彼を追うが、結局彼を発見できない。

というヒロインの恋愛経験を10年後の彼女が客観的に自身を “彼女” と称して回顧していく。

古典的なフランス文学を読んでいるような感じがする。そういう意味では僕の趣味に合わないわけではなさそうだが、やはり映像で腐れ縁を低回的に見せられると面倒臭い気分が先行して退屈してしまう。
 耽美的に撮る時に物凄いことになるリー・ピンビンの撮影は北海道のキネマ街道を撮った時などに凄味が出て来るが、遊興店でのハンディカメラによるアップの多用には余り心動かされるものはない。リーがハンディカメラを使っても決してセミ・ドキュメンタリーにはならないことが解りました。

最後に流れる曲がちょっとマンボだったか。

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