映画評「誉の名手」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
1917年アメリカ映画 監督ジョン・フォード
ネタバレあり
わがブログを訪れる方は人生そして映画鑑賞のベテランが多いと思われるが、さすがにこの映画を観たことがある人はまずいないのではないだろうか。
邦題の送り仮名の使い方から判断して、製作からさほど年月を経ないで日本で公開された可能性が高いが、いつ公開になったか解らない。ジョン・フォードの長編映画デビュー作である。ジャンルは勿論西部劇。
牧場主フリント(デューク・R・リー)の一味が、娘ジョーン(モリー・マローン)と息子テッド(テッド・ブルックス)を率いてやって来た新参開拓者シムズ(ジョージ・バーレル)を追い出そうと水を止め、水を取りに川へ向かったテッドを殺す。シムズと娘は彼の死にひどく嘆く。
フリントに雇われたライフル名手シャイアン・ハリー(ハリー・ケリー)は、彼らの様子に衝撃を受け (涙で景色がぼける主観ショットあり) 、フリントに反旗を翻し、 物凄い数で一家を襲撃する一味に対抗させるべく、 “黒目のピート”一味に応援を依頼する。彼らの活躍目覚ましく、フリントの一味を平らげる。
ハリーは、テッドの代わりになってくれないかと頼む一家の懇願をやんわりといなして、少し距離を置いた場所で思案する。そこへジョーンが現れる。
後は推して知るべしという内容で、上映時間が62分なので非常にシンプルで解りやすい構図の物語であるが、部分的に「大いなる西部」(1958年)や「シェーン」(1953年)を思い出せたりもする。
本作は、映画の揺籃期を過ぎて長編がぼちぼち出始めた時代に作られたが、メイクや演技はかなり自然体であるという印象を受けた。同時代の芸術指向のドラマ系の作品とは大分違う感じがする。
演出と言えば、開け放たれた扉越しに外を見せるフレーム意識である。ジャン・ルノワールが「ピクニック」(1936年)で窓越しにブランコを漕ぐヒロインを見せたのと似た趣向だが、こちらは何回も出して来る。一回ごとのインパクトは弱いが、反復することで扉越しに外を見せることに強い意図を感じることになる。
人物を強調する為の玉子スコープも使われるが、これはサイレント期の常道。
予想に反して古さを余り感じないので、後学の為に観ても良いと思いますよ。
1917年アメリカ映画 監督ジョン・フォード
ネタバレあり
わがブログを訪れる方は人生そして映画鑑賞のベテランが多いと思われるが、さすがにこの映画を観たことがある人はまずいないのではないだろうか。
邦題の送り仮名の使い方から判断して、製作からさほど年月を経ないで日本で公開された可能性が高いが、いつ公開になったか解らない。ジョン・フォードの長編映画デビュー作である。ジャンルは勿論西部劇。
牧場主フリント(デューク・R・リー)の一味が、娘ジョーン(モリー・マローン)と息子テッド(テッド・ブルックス)を率いてやって来た新参開拓者シムズ(ジョージ・バーレル)を追い出そうと水を止め、水を取りに川へ向かったテッドを殺す。シムズと娘は彼の死にひどく嘆く。
フリントに雇われたライフル名手シャイアン・ハリー(ハリー・ケリー)は、彼らの様子に衝撃を受け (涙で景色がぼける主観ショットあり) 、フリントに反旗を翻し、 物凄い数で一家を襲撃する一味に対抗させるべく、 “黒目のピート”一味に応援を依頼する。彼らの活躍目覚ましく、フリントの一味を平らげる。
ハリーは、テッドの代わりになってくれないかと頼む一家の懇願をやんわりといなして、少し距離を置いた場所で思案する。そこへジョーンが現れる。
後は推して知るべしという内容で、上映時間が62分なので非常にシンプルで解りやすい構図の物語であるが、部分的に「大いなる西部」(1958年)や「シェーン」(1953年)を思い出せたりもする。
本作は、映画の揺籃期を過ぎて長編がぼちぼち出始めた時代に作られたが、メイクや演技はかなり自然体であるという印象を受けた。同時代の芸術指向のドラマ系の作品とは大分違う感じがする。
演出と言えば、開け放たれた扉越しに外を見せるフレーム意識である。ジャン・ルノワールが「ピクニック」(1936年)で窓越しにブランコを漕ぐヒロインを見せたのと似た趣向だが、こちらは何回も出して来る。一回ごとのインパクトは弱いが、反復することで扉越しに外を見せることに強い意図を感じることになる。
人物を強調する為の玉子スコープも使われるが、これはサイレント期の常道。
予想に反して古さを余り感じないので、後学の為に観ても良いと思いますよ。
この記事へのコメント