"映画"の記事一覧

映画評「ぼくとパパ、約束の週末」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年ドイツ映画 監督マルク・ローテムント ネタバレあり 日本は劇映画において実名を使いたがらない国民性故に、例外的に映画の実話ものが流行っていない国である。例外的ではない国から生まれた実話ものだ。 アスペルガー障害は「レインマン」(1988年)で知られるようになったが、本作の小学生の…
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映画評「ウエストワールド」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1973年アメリカ映画 監督マイケル・クライトン ネタバレあり 映画館ではなく、TVの吹き替え版で観たのは多分1970年代終わりくらいではなかったか。 この映画が作られた頃はSFは市民権を得ていたが、製作本数はCG誕生以降に比べるとまだ少なく、その為に出来栄えを伴なわくても楽しむことができ…
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映画評「ビッグ・トレイル」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1930年アメリカ映画 監督ラオール・ウォルシュ ネタバレあり 37年後の「大西部への道」に似た時代背景を持つトーキー初期の西部劇で、ジョン・ウェインの初主演作である。  「大西部への道」同様1840年頃にミズーリを出発してオレゴンを目指した幌馬車隊をめぐる極めて本格的な開拓模様が見られて見ご…
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映画評「本心」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・石井裕也 ネタバレあり 日本は現在、これほどVFXが定着しているにも拘わらず、怪獣映画と知恵の足りないタイム・スリップものを除いて実写のSF映画が余り作られない国だが、何と3日前の「徒花-ADABANA-」に続いてのSFである。実際にはどちらもSFという名の哲学映画である…
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映画評「2度目のはなればなれ」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2023年イギリス=フランス=スウェーデン合作映画 監督オリヴァー・パーカー ネタバレあり 「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」のコメント欄で、似ている作品ということで紹介に与った。 老夫婦の夫が突然家を出るというところやマスコミが騒ぎ出すというところは全く似ている。次のような話である。 …
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映画評「ディックス !! ザ・ミュージカル」

☆★(3点/10点満点中) 2023年アメリカ映画 監督ラリー・ジョーンズ ネタバレあり 一部でA24初のミュージカルと沙汰されているが、 IMDb のデータによれば、厳密な意味での製作をしていず、ディストリビューター(配給会社)としての立場であるらしい。  LGBTQに属するジョシュ・シャープとアーロン・ジャクスンが生み出…
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映画評「徒花 -ADABANA-」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・甲斐さやか ネタバレあり 「赤い雪 Red Snow」という、 難解そうで実はそうでもない映画を買った(高く評価した)。買ったものの、頭脳明晰な一部観客の理解力に頼りがちな展開ぶりに☆☆☆に留めざるを得ず、残念な思いをしたものだ。  僕が花開く可能性を大いに感じている…
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映画評「俺は善人だ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1935年アメリカ映画 監督ジョン・フォード ネタバレあり ジョン・フォードの戦前の作品。割合有名な作品だが、今まで観るチャンスがなかった。  エドワード・G・ロビンスンが1930年代にギャング映画に多く出演しているのを知っていると、ギャングのそっくりさんが経験する悲喜劇という着想の妙に加え、…
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映画評「超高層プロフェッショナル」

☆☆★(5点/10点満点中)1979年アメリカ映画 監督スティーヴ・カーヴァー ネタバレあり 原題はSteelだが、今話題のUS Steelの話ではない。 先にTVスターになっていたリー・メジャーズがファラ・フォーセットの夫という扱いになってきた頃に作られた現代西部劇もどきの企業アクションである。 ビル建設会社社長ジ…
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映画評「ハルカの陶」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・末次成人 ネタバレあり 同名コミック(作:ディスク・ふらい、画:西崎泰正)の実写映画化。監督は新人の末次成人。 陶は“すえ”と読む。知りませんでしたなあ。恐らく須恵器(すえき)から生まれた読みだろう。 退屈な会社員生活にうんざりしているOL小山はるか(奈緒)が…
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映画評「傲慢と善良」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・萩原健太郎 ネタバレあり 名前は知っているが読んだことのない辻村深月の、ミステリー要素のある恋愛小説の映画化。  文学好きなら容易に推察できるように、ジェーン・オースティンの「高慢(自負)と偏見」が下敷きになっているところがある。 マッチング・アプリで婚活を続け…
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映画評「ラストマイル」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・塚原あゆ子 ネタバレあり やけに脇役に豪華な俳優を配しているなあと思ったら、監督の塚原あゆ子と脚本の野木亜希子が組んだTVドラマのキャストが(同じ世界線で)出ているということでありました。 アマゾンを思わせる世界的な大手ショッピング・サイト日本支社の西武蔵野ロジステ…
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映画評「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2024年アメリカ映画 監督グレッグ・バーランティ ネタバレあり 近頃アメリカのドラマ映画が伝記・実話に頼ってばかりいるのが良い脚本家が育たない原因(あるいは育っていない結果)であると文句を言ったばかりだが、そんな中でフランク・シナトラの有名な歌を題名にした本作は実話を背景にしながら芯の部分を巧…
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映画評「ぼく モグラ キツネ 馬」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 2022年イギリス=アメリカ合作映画 監督ピーター・ベイントン、チャーリー・マッケジー ネタバレあり Apple TV シリーズ第4弾。 チャールズ・マッケジーなる児童文学者による絵本のアニメ映画化。作者自ら共同脚色と共同監督に参加した34分の短編である。 雪の中で迷子になった少年…
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映画評「ルイ・アームストロング Black & Blue」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督サチャ・ジェンキンズ ネタバレあり 期間限定Apple TVシリーズ第3弾。 一昨日に続いて音楽ドキュメンタリーだが、一昨日のヴェルヴェット・アンダーグラウンドが性的多様性が表立って沙汰される時代に生まれたバンドであるとすれば、本日のルイ・アームストロング(サッ…
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画像問題:Who is she/he? No. 42

今月はこの女優。 現在は大ベテランの現役ですが、〇十年前に出世作に出演したのは30歳の頃。比較的遅咲きでしょうか。Wikipediaによりますと、現在一時休業中らしい。製作待機中の作品がリストにありますから、引退したわけではないようです。 出世作は僕が大いに買っているサスペンスで、ある種のサスペンスのリファレンスとし…
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映画評「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2021年アメリカ映画 監督トッド・ヘインズ ネタバレあり 併設した音楽ブログ【オカピーの採点表】で現在週に一作ずつ音楽のアルバムを紹介している。  5月はヴェルヴェット・アンダーグラウンド(以下VU)全4作を洩らさず紹介した(同バンド名義のアルバムはもう一つあるが、実質的に後から加入したダグ…
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映画評「ウルフウォーカー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年アイルランド=ベルギー=フランス=ルクセンブルク合作映画 監督トム・ムーア、ロス・スチュワート ネタバレあり ケルト伝説をアニメ映画化するのをライフワークとしているかのようなトム・ムーア監督による、三部作の第3作。三部作というのが正確な情報であれば最終作となる。ロス・スチュワートとの共…
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映画評「若き見知らぬ者たち」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・内村拓也 ネタバレあり ミヒャエル・ハネケの「ファニーゲームU.S.A.」(オリジナルの「ファニーゲーム」は未鑑賞)ほどではないが、後味が余り良くない。 商業長編映画デビュー作という内山拓也なる監督は勿論初めて観る。2020年に作った「佐々木、イン、マイマイン」なる…
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映画評「フェラーリ」

☆☆☆(6点/10点満点中) アメリカ=イギリス=イタリア=サウジアラビア合作映画 監督マイケル・マン ネタバレあり 自動車メーカー、フェラーリの創設者であるエンツォ・フェラーリの伝記映画であって、メーカーのフェラーリ、あるいはレーシング・コンストラクターのフェラーリを主題にした映画ではない。  当然どちらも絡んではいるし、…
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