"映画"の記事一覧

映画評「マッドマックス:フュリオサ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2024年オーストラリア=アメリカ合作映画 監督ジョージ・ミラー ネタバレあり 昔から核戦争後SFの類はどうも食指が動かない。「渚にて」(1959年)のように静かなものは良いが、幾つかの集団が対立する類はとりわけ好かない。  カーアクションが好きだったから大学生時代に紹介された第1作目には期待し…
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映画評「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年イギリス映画 監督ヘッティ・マクドナルド ネタバレあり ポール・マザースキーの秀作「ハリーとトント」(1974年)とロバート・ゼメキス監督「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994年)を思い出させる。両方を合わせて適度に換骨奪胎するとこんな感じになると思わせる人情譚だ。 題名の名…
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映画評「瞳をとじて」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年スペイン=アルゼンチン合作映画 監督ビクトル・エリセ ネタバレあり 先日NHK-BSが「エル・スール」を放映したのは、ビクトル・エリセのこの新作が(長編劇映画としては)31年ぶりに発表されて、昨年日本でも公開されたということと関係しているのだろうか。 劇中劇から始まる。  この…
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映画評「ゴッドランド/GODLAND」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2022年デンマーク=アイスランド=フランス=スウェーデン合作映画 監督フリーヌル・パルマソン ネタバレあり フランスとスウェーデンが製作国に加わっているが、実質的にはデンマークとアイルランド二国の映画と言うべし。一国に絞るのであれば、脚本を書き、監督も担当したフリーヌル・パルマソンがアイスラン…
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映画評「ブリーディング・ラブ はじまりの旅」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年アメリカ映画 監督エマ・ウェステンバーグ ネタバレあり 四十代の男性ユアン・マクレガーと二十歳くらいの娘クララ・マクレガーが男の運転する車で西部の田舎を旅している。親子だろうという推測は勿論正解だったが、余り似ていないと思いつつ観ていた。ところが、親子を演ずる二人は苗字でも解るように本当…
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映画評「RHEINGOLD ラインゴールド」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年ドイツ=イタリア=オランダ合作映画 監督ファティ・アキン ネタバレあり ラップは歌と似て非なるものと思う。どちらかと言えば文学そして韻文の一ジャンルなのだろうが、そこへ歪な形で音楽が絡んで来るからどうも変てこな格好になっている。とにかくコアなラップは僕にとって音楽ではなく、歌とは違う形で…
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映画評「リオ・グランデの砦」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1950年アメリカ映画 監督ジョン・フォード ネタバレあり ジョン・フォードの騎兵隊3部作の最後の作品。「黄色いリボン」を飛ばして再鑑賞することにした。  と言うのも、第1作「アパッチ砦」に出て来たジョン・ウェインのカービー・ヨークが大尉から中佐に昇進して再登場、明らかな続編として作られている…
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映画評「十二哩の暗礁の下に」

☆☆★(5点/10点満点中) 1953年アメリカ映画 監督ロバート・D・ウェッブ ネタバレあり プライムビデオにて鑑賞。 中級作品であり、鑑賞済作品であるから、昔のVHS並みの画質の本作を敢えて再鑑賞するには及ばないのだが、諸事情で観ることにした。さらに運の悪いことにシネマスコープ(ごく初期のもの。54年になって本格化す…
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映画評「52ヘルツのクジラたち」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・成島出 ネタバレあり 原作は新聞の文芸欄で取り上げられていたから芥川賞か直木賞でも獲ったように思っていたが、受賞したのは本屋大賞。芥川賞は中編までが対象であるから長すぎるのかもしれない。  この内容で本屋大賞を受賞するということは、昭和時代に言われた中間小説の感覚がある…
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映画評「違国日記」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・瀬田なつき ネタバレあり ヤマシタトモコなる漫画家のコミックの実写映画化。監督は13年前に「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」を観たことのある瀬田なつき。2本目それも13年ぶりでは特徴については解りかねます、といったところ。 卒業直前に交通事故で両親を一緒に失った中…
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映画評「怪盗グルーのミニオン超変身」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2024年アメリカ映画 監督クリス・ルノー ネタバレあり 1作ごとに僅かずつ調子を落としている3DCGアニメ・シリーズであるが、それでも散漫だった第3作よりはやや復調気味だろうか?  今やファミリー・マンになったグルー(声:スティーヴ・カレル)が、母校“悪党学園”の同窓会に参加すると見せかけ…
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映画評「イントレランス」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1916年アメリカ映画 監督D・W・グリフィス ネタバレあり 映画史において最も重要な作品の十本に入れたいマイルストーン的作品である。本作を監督したD・W・グリフィスは映画史上重要な監督十人にも上げたい。 大学生だった1980年頃自主上映で観たのが最初だが、140分くらいだったような気…
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映画評「ある閉ざされた雪の山荘で」

☆☆(4点/10点満点中) 2024年日本映画 監督・飯塚健 ネタバレあり 東野圭吾の古いミステリーの映画化だが、映画化が遅かったと言うべきか。  何となれば、1年前に観た「ゲネプロ★7」にお話の構成がそっくりなのである。人数まで同じだ。「ゲネプロ★7」にクローズド・サークルものの要素を加えたものと言えば、中(あた)らずと雖…
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画像問題:Who is she/he? No. 39

ベテランにはさほどでないと思いますが、このところのイージーさを考えたら、相対的にやや難問の部類でしょうか?  通常の画像では解りにくいと思ったので、代表作であるこの軍服姿のものをピックアップ。 際立って軍人役が多いわけではないですが、将軍として出演・主演する作品に有名なものが多い気がします。あのSF風刺作でも、この画像の…
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映画評「グレン・ミラー物語」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1953年アメリカ映画 監督アンソニー・マン ネタバレあり グレン・ミラーは僕が生涯初めて知ったジャズ・ミュージシャンである。  本作に出て来る曲は、1970年代後半に本作を初めて観る前から、よく知っていた。多分今回が3回目の鑑賞。 題名が示すように伝記映画で、近年のそれと違ってテーマ…
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映画評「二百万人還る」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1949年フランス映画 監督アンドレ・カイヤット、ジョルジュ・ランパン、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、ジャン・ドレヴィル ネタバレあり プライムビデオにて鑑賞。  かなりの確率で初鑑賞だが、 IMDb におけるここ45年程観た作品とプラスアルファのわが投票記録(200万ならぬ1万数千本ほど)…
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映画評「男と女」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1966年フランス映画 監督クロード・ルルーシュ ネタバレあり 先日ウッディー・アレン監督「サン・セバスチャンへ、ようこそ」でオマージュを捧げられた映画のうちこの作品だけ当ブログにアップしていないことに気付いた。  前回も述べたように恐らく2002年頃に観た(多分3回目の鑑賞)ばかりだったの…
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映画評「叫びとささやき」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1972年スウェーデン映画 監督イングマル・ベルイマン ネタバレあり イングマル・ベルイマンが好きだと公言しながら、余り積極的に扱ってこなかった。内容が難解である以上に書きにくい。  と、言い訳してハードルを低くし、スタートします。 久しぶりの再鑑賞は、マイ・ライブラリーから。 …
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映画評「『されどわれらが日々』より 別れの詩」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1971年日本映画 監督・森谷司郎 ネタバレあり WOWOWのパンフレットにはただ「別れの詩」とあり、監督がこの頃アイドル俳優を使った青春映画をずっと撮っていた森谷司郎と知って観始めたが、何と柴田翔の芥川賞受賞作「されどわれらが日々」の不完全な映画化であり、映画サイト等では「「されどわれらが日々」…
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映画評「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」

☆☆★(5点/10点満点中) 1968年アメリカ映画 監督ジョージ・A・ロメロ ネタバレあり ホラー映画は疑問百出で興醒める為、理屈先行の左脳人間たる僕には楽しめないことが多い。2010年くらいまではかなり付き合ったが、☆★(3点/10点満点中)どまりのものが多く、ここ十数年鑑賞そのものをかなり避けてきた。 ゾンビものは…
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