"映画"の記事一覧

映画評「金の糸」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年ジョージア=フランス合作映画 監督ラナ・ゴゴベリーゼ ネタバレあり ジョージアの映画も今世紀に入って、オタール・イオセリアーニ監督の作品が少なからず紹介されているが、それ以外の監督は二人目か三人目である。  本作を作った女性監督ラナ・ゴゴベリーゼは、1928年生まれの大ヴェテランで、…
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映画評「母へ捧げる僕たちのアリア」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年フランス映画 監督ヨアン・マンカ ネタバレあり アラブ系(恐らくアルジェリア)移民の少年のちょっとした成長を描いたフランス映画。 夏休みに入ったローティーンの少年ヌール(マエル・ルーアン・ブランドゥ)は四人兄弟の一番下である。意識不明で寝たきりの母親がオペラ好きだったので、パヴァロ…
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映画評「国境の夜想曲」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年イタリア=フランス=ドイツ合作映画 監督ジャンフランコ・ロージ ネタバレあり ジャンフランコ・ロージというドキュメンタリー監督作品は二本観ているが、本作は、最初に観た「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」と同様、7つくらいあるグループのうちの幾つか(或いは全て?)が断続的に並行して進行する…
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映画評「ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 2021年イギリス映画 監督マーク・カズンズ ネタバレあり 昨年11月に映画作りに関するドキュメンタリーを幾つか観た。それらはスタッフやその仕事の変遷に焦点を当てて作ったものであった。本作はマーク・カズンズなる人物が個人的な映画論を展開したような内容で、そういう意味では毛色が変わっている。 …
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映画評「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~」

採点放棄 2022年日本映画 監督・信友直子 ネタバレあり 不完全版鑑賞の為に採点をしなかったことはあるが、感情的な理由で採点しないのは初めて。自分の両親たちの晩年を思い出してたまらないのだ。 2年余り前に観た正編もかなり心に沁みたが、続編たる本作に対してはもはや言葉にならない。そもそもドキュメンタリーは内容中心に語るし…
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映画評「1640日の家族」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年フランス映画 監督ファビアン・ゴルゲール ネタバレあり 母アンナ(メラニー・ティエリー)、父ドリス(リエ・サレム)、3人の兄弟から成る仲の良い五人家族のお話である。  ところが、一番下の息子シモンを連れて母親が或る場所へ行ってから、様子が一変する。その場所は児童相談所で、シモンは数年…
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映画評「ハウス・オブ・グッチ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年アメリカ=カナダ合作映画 監督リドリー・スコット ネタバレあり リドリー・スコットがこの作品を作った時は84歳くらいであるが、まだまだ元気である。 皮革メイカーとしては老舗のグッチが洋服ブランドとして現在ほどの地位を得ていなかった頃の1970年代後半から90年代前半が舞台。 …
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画像問題:Who is she/he? No. 14

オカピーさん、この女優さんはもう出したでしょう!と言われそうですが、記録している出題リストを眺めますとありません。ブログの開設当初、映画評絡みでよく話題になったから、自分でも既に出題済みかと思っていたところ、違いましたねえ。 50年くらい前に彼女を初めて観た時ちょっと怖い感じを覚えました。そういう役が多かったせいかもしれませんが。…
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映画評「獣人」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1938年フランス映画 監督ジャン・ルノワール ネタバレあり 登場人物が1200人にも及ぶという、エミール・ゾラの【ルーゴン・マッカール叢書】から「獣人」をジャン・ルノワールが映画化した。1990年頃一度観ている。 先祖からの遺伝で愛する女性を見つめると暴力的衝動を抑えられなくなる発作を起…
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映画評「濡れた欲情 ひらけ!チューリップ」

☆☆(4点/10点満点中) 1975年日本映画 監督・神代辰巳 ネタバレあり 1972年の「一条さゆり 濡れた欲情」以降、神代辰巳監督は「濡れた欲情」という措辞を用いたタイトルの作品を幾つか作っているが、内容において相互に直接的な関係はない。本作の場合は、谷ナオミがさゆりというストリッパー役で出て来るのが、くすぐったくなる程度…
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映画評「ビキニの裸女」

☆☆★(5点/10点満点中) 1952年フランス映画 監督ウィリー・ロジェ ネタバレあり ブリジッド・バルドー(BB)初主演映画である。主演と言っても、実際には40分を過ぎたところで漸く登場するのだが。 大学で考古学を聴講していた学生ジャン=フランソワ・カルヴェが、数年前にコルシカ島の近くの海で発見した壺がフェニキア人の…
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映画評「突撃隊」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1961年日本映画 監督ドン・シーゲル ネタバレあり 2月にWOWOWがスティーヴ・マックィーンの小特集をする(全て保存済)らしいので、その前にマイ・ライブラリーに手を伸ばし、中学生の時以来観ていないこの戦争映画を再鑑賞することにした。 第二次大戦後半、フランス東部に駐留して間もなく帰国と…
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映画評「弟とアンドロイドと僕」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・阪本順治 ネタバレあり 阪本順治は概ね解りやすい映画を作るが、この作品は難解である。表面的には一人暮らしの孤独な中年教授の生活を綴っているが、ミケランジェロ・アントニオーニの「欲望」(1966年)に似て、実存主義的な映画である。 映画は、一人の中年男性が雨の降る野外…
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映画評「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督トッド・ヘインズ ネタバレあり 実話もの社会派映画である。欧米の社会派映画では関係者がほぼ全て実名で出て来る。この手の欧米映画を見る時にまず感心するのはそのことである。それについては何度も述べて来たので、この辺で終わりにするとして、日本の水俣病と似て地区住民VS大企業…
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映画評「コーダ あいのうた」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年アメリカ=フランス=カナダ合作映画 監督シアン・ヘダー ネタバレあり どこかで見たことがあると思ったら、6年程前に観たフランス映画「エール!」のアメリカ翻案版でありました。自分の書いた梗概を読んだところ、本作のそれはほぼ同じ。従ったお話は省略しても良いのだが、俳優紹介を兼ねて、少し書い…
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映画評「ルートヴィヒ [復活完全版]」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1972年イタリア=西ドイツ=フランス合作映画 監督ルキノ・ヴィスコンティ ネタバレあり 1980年大学生の時にルキノ・ヴィスコンティ・ブームに乗って漸く公開された184分版を「ルードウィヒ 神々の黄昏」のタイトルで映画館で観た。  その後1時間近く長いこの “完全版” が「ルートヴィヒ」のタ…
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映画評「ピエロがお前を嘲笑う」

☆☆★(5点/10点満点中) 2014年ドイツ映画 監督バラン・ボー・オダー ネタバレあり ここ十年くらいのNHK-BSは西部劇を別にすると定評のある洋画ばかりを繰り返し放映し、たまにWOWOWなどで放映した近作洋画(や時に邦画)を出して来るという様相。つまりどちらにしても僕が改めて見ようという気が起こらない状態なのだが、数年…
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映画評「四十二番街」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1933年アメリカ映画 監督ロイド・ベーコン ネタバレあり 戦前のアメリカン・ミュージカルは、40年代に入って隆盛するMGM式のミュージカルではなく、バックステージものを兼ねたレヴュー映画が中心であった。本作もその伝で、ワーナー・ブラザーズ製作の傑作レヴュー映画である。 ブロードウェイの…
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映画評「99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年日本映画 監督・木村ひろし ネタバレあり TVドラマの映画版はまず観ないと言ってきたが、近年はそれなりに観ている。まず一般映画がつまらず、同じつまらないならTVの映画版でも良かろうということもある。本作に限って言えば、ミステリーらしいので積極的に観ることにした。 TVにおいては、気…
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映画評「未完の対局」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1982年日本=中国合作映画 監督・佐藤純弥、段吉順 ネタバレあり 40年ぶりの再鑑賞。日中の関係が良かった頃の合作映画である。 本作は、満州事変以降の日本の戦争行為をアジア解放の為と信じている右派全体主義者には自虐的と映るだろうが、そもそも大衆的なアングルから国家という、実はその時代ごと…
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