"映画"の記事一覧

映画評「サタデー・フィクション」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年中国映画 監督ロウ・イエ ネタバレあり 日中の戦争とスパイものが絡む中国映画なら、7か月前に観たチャン・イーモウ監督「崖上のスパイ」のほうをお薦めする。やはりこの手のメジャーっぽい内容は、ロウ・イエのようなインディ的な監督よりチャン・イーモウのような正統派のほうが良い。 1941年…
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映画評「ファースト・カウ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督ケリー・ライカート ネタバレあり 舞台は現在のオレゴン。登場人物の服装やフランスとの関係から推して、19世紀前半。という想像はどうも正しいらしく、WOWOWの資料にも1820年とあった。 しかし、始まりは現在で、犬を連れたマダム(by チェーホフ)ならぬ中年婦人が…
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映画評「6月0日 アイヒマンが処刑された日」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年イスラエル=アメリカ合作映画 監督ジェイク・パルトロウ ネタバレあり 2012年の「ハンナ・アーレント」以降イスラエルで絞首刑になったナチスのアドルフ・アイヒマンを主題にした映画が次々と作られるようになった。ユダヤ人移送を担当した単なる中間管理職なのに、総統ヒトラーを別にするとこれほど映…
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映画評「イノセンツ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年ノルウェー=スウェーデン=デンマーク=フィンランド=フランス=イギリス合作映画 監督エスキル・フォクト ネタバレあり WOWOWにて鑑賞。  北欧サスペンス/スリラーでも、ホラー特集にある場合は無視するが、【W座からの招待状】や【ワールドシネマセレクション】で出て来るのであれば観る。…
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映画評「親密さ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2013年日本映画 監督・濱口竜介 ネタバレあり 長くても感嘆しまくった「ハッピーアワー」より約1時間短いとはいえ、上映時間が4時間15分もあるドラマ。  方法論としては似ているが、こちらは所謂 “即興演出” が少ないのではないかと感じた。そもそも演劇がテーマなので、前述作のワークショップや朗…
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映画評「永遠に君を愛す」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2009年日本映画 監督・濱口竜介 ネタバレあり 濱口竜介監督の第2作は59分の中編。 普段の濱口監督は、エリック・ロメールを少し重くしたようなタッチであるが、この映画にはどこかアメリカ映画的なムードがある。脚本を自分で書いてないからそういう差が生れる。 結婚式の当日、新婦河合青葉が新…
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映画評「天国はまだ遠い」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2015年日本映画 監督・濱口竜介 ネタバレあり 他の作品と比べれば、ぐっと大きな大衆的興味を持って観ることが出来る濱口竜介監督による38分の短編映画である。 アダルトビデオの修正をする34歳男性・岡部尚が、28歳女子大生・玄理の修了作品となるドキュメンタリーへの出演を請われる。二人が会話…
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映画評「偶然と想像」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年日本映画 監督・濱口竜介 ネタバレあり 3話構成のオムニバス映画。オムニバスということもあって、濱口竜介の作品としては取り組みやすい。 第一話「秘密」。  モデル古川琴音に親友でもあるヘアメイク担当・玄理が知り合ったばかりのイケメンと意気投合したという話をする。ワンナイトのよう…
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映画評「アナログ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督タカハタ秀太 ネタバレあり ビートたけしが原作とは俄かに信じられないようなすれ違い恋愛映画。 “ピアノ” という喫茶店で、その店を設計した若い会社員設計士・二宮和也と訳あり美人・波留が、互いの独自の審美眼に意気投合し、毎週木曜日に会い続け、次第に外へと行動範囲を広げる…
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映画評「わが父わが子」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1940年フランス映画 監督ジュリアン・デュヴィヴィエ ネタバレあり モンマルトルの丘に暮らすぶどう農家フロマン家の70年に及ぶクロニクルである。ジュリアン・デュヴィヴィエの作品だが、これは観たことがなかった。 1871年普仏戦争に出征して結局帰らなかった当主ピエール(ルイ・ジューヴェ)の長…
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映画評「PASSION」

☆☆★(5点/10点満点中) 2008年日本映画 監督・濱口竜介 ネタバレあり 濱口竜介は現在映画マニアが最も注目する映画作家の一人(こういう英語的表現は好きではないが)になった感がある。東京藝術大学の終了作品(卒業制作)として作ったのがこの作品ということで、5時間を超える「ハッピーアワー」(2015年)の原形を見るような群像…
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画像問題:Who is she/he? No. 31

今月はこの男優。この人、まだやっていなかったの?とビックリされるかもしれませんが、そうなんです。スーパースターの男優は温存(?)しているので、まだ結構残っているデス。あの人やかの人や。 当然問題としてはイージーであります。話題作や秀作が多く、箸にも棒にも掛からないような作品には殆ど出ていませんね。反骨精神の男を演じることが…
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映画評「アガサと殺人の真相」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年イギリス映画 監督テリー・ローン ネタバレあり 1926年に人気ミステリー作家アガサ・クリスティーが11日間失踪した事件をめぐってはヴァネッサ・レッドグレーヴが主演した「アガサ 愛の失踪事件」(1979年)という秀作がある。失踪した期間に彼女が何をしていたか想像の翼を拡げて作ったフィクシ…
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映画評「狙われた男」(1956年)

☆☆☆(6点/10点満点中) 1956年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり 三日前に取り上げた「犯人は21番に住む」に倣って言えば、「犯人は銀座に住む」の巻。あの映画に似て、こちらも狭いコミュニティの中に犯人がいる。 銀座の雑居街でビルの三階にある美容院のマダムが殺される。内藤武敏の刑事が聞き込みに界隈を歴訪する。この…
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映画評「花腐し」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・荒井晴彦 ネタバレあり 2000年上半期芥川賞を受賞した松浦寿輝の同名小説を荒井晴彦が脚色して自ら映像に移した人間ドラマである。腐しは “くたし” と読み、「万葉集」の一首からの拝借である。 ピンク映画の監督・栩谷(くたに=綾野剛)は、長く同棲した売れない女優祥子…
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映画評「犯人は21番に住む」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1943年フランス映画 監督アンリ=ジョルジュ・クルーゾー 重要なネタバレあり。未鑑賞の方は要注意。 アンリ=ジョルジュ・クルーゾーのデビュー作はサスペンスという以上に本格推理ものである。ブログを始める3,4年前に観たから20年は経っているので、そろそろ再鑑賞しても良い頃合い。 何度も述べ…
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映画評「レジェンド&バタフライ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2023年日本映画 監督・大友啓史 ネタバレあり 近年スターの出る時代劇は大きな期待をしない方が無難だが、「るろうに剣心」シリーズで良いアクションを見せた大友啓史監督は、織田信長を主人公にした本作ではアクションに頼らず、TVドラマ的と言えばそれまでながら、夫婦の愛憎の機微というアングルで信長ものを…
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映画評「ジェーンとシャルロット」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年フランス映画 監督シャルロット・ゲンズブール ネタバレあり それほど話題作に出演しているわけでもないのにジェーン・バーキンは人気があり、アイコンのようになっている。個人的には、ミック・ジャガーの従妹のように見える為、わが審美眼に余り適わない。歌手としても有名だが、聞いたことはあるかもしれ…
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映画評「ブラックナイトパレード」

☆☆(4点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・福田雄一 ネタバレあり ずっと前に録画したものを今頃になって観る。観るべき映画がないんだよねえ。  監督はエンド・ロールで初めて福田雄一と知ったが、この人の映画は大人が観る必要のないものばかりだから敢えて観なくても良いのだが、観ても時間の無駄にはならない。極めてくだらない…
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映画評「そばかす」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・玉田真也 ネタバレあり 昨年後半WOWOW放映を録画したが、欧米映画放映作の低調(WOWOW放映の選択の問題もあり)のこの時代、邦画ばかりになるのも嫌なのでここまで観ずにいた。しかし、今月に入ってことのところプライム・ビデオなどによる古い映画か再鑑賞作品に傾倒しすぎている…
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