映画評「ヒューマン・ボイス」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年スペイン映画 監督ペドロ・アルモドバル ネタバレあり ペドロ・アルモドバルが、オペラ化もされたことのあるジャン・コクトーの戯曲「人間の声」を翻案した、ほぼ一人芝居の短編ドラマ。 2020年のコロナ禍下で撮影を始める羽目になったらしいが、俳優の交錯が少ないだけに、結果的にその条件下で…
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映画評「パラレル・マザーズ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2021年スペイン=フランス合作映画 監督ペドロ・アルモドバル ネタバレあり ペドロ・アルモドバルのドラマ。 女流写真家ペネロペ・クルスが、法人類学者イスラエル・エレハルデに、スペインの “歴史記憶法” に基づき、内戦で不本意な死をした曾祖父らの遺体について発掘調査を依頼する。すぐには進め…
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映画評「ブラックアダム」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年アメリカ映画 監督シャウム・コレット=セラ ネタバレあり 3年前に観た「シャザム!」や「スーサイド・スクワッド」の関連作品で、DCコミックスの実写(俳優以外はCGばかりなので何ちゃって実写)映画化。 僕の老化現象は著しく、シリーズ・シリアルものに余り興味が持てなくなった。そうでなく…
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映画評「コンビニエンス・ストーリー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・三木聡 ネタバレあり 久しぶりに見た三木聡監督はコメディー色が希薄。実際にコンビニエンス・ストアが絡む物語だが、タイトルはコンビニエンス・ストアのもじりなのであろう。 スランプの脚本家・成田凌が、恋人の女優・片山友希の愛犬ケルベロス(最も重要な伏線)用のドッグフード…
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映画評「彼女のいない部屋」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年フランス=ドイツ合作映画 監督マチュー・アマルリック ネタバレあり 男優マチュー・アマルリックが監督をしたドラマ。孤独に陥った中年美人の心象風景で成り立っている作品である。 中年美人クラリス(ヴィッキー・クリープス)は家出をしているらしい。残された夫マルク(アリエ・アルトワリエ)、…
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映画評「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年ハンガリー=ドイツ=フランス=イタリア合作映画 監督イルディコー・エニェディ ネタバレあり 「心と体と」のイルディコー・エニェディは映像言語をよく知る監督というイメージで、そこに関して本作も誠に充実している。 変則的な夫婦愛の物語。 船長ヤコブ(ハイス・ナバー)は船の料理長の…
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映画評「宮松と山下」

☆☆★(5点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・関友太郎、佐藤雅彦 平瀬謙太朗 ネタバレあり 映像監督集団【五月】の初長編映画とのこと。【五月】のメンバーは上記三人。 いきなり瓦の描写から始まる。「女系家族」(1963年)の宮川一夫のカメラを思い出した。なかなか素敵だ。  で、その下では斬り合いが行われている。…
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画像問題:Who is she/he? No. 21

僕が映画鑑賞を趣味とした頃は、ベテランの大スターで結果的には晩年だったと言えるのかもしれません。オールスター・キャストの一員として出演したパニック映画は今でもTVに出てきます。 画像は、(髪の毛が金髪に染められているので)多分ビリー・ワイルダーの監督した恋愛コメディーからでしょう。ワイルダーとは関係が良かったようで、出演作…
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映画評「プアン/友だちと呼ばせて」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年タイ映画 監督バズ・プーンビリヤ ネタバレあり 僕が初めて観たタイ映画は「田舎の教師」(1978年)という日本劇場未公開作品だが、内容はともかく、演出が大正時代の平均的な映画並みと言われる泥臭さで思わず笑い、TVで一緒に観ていた姉に怒られた。  それから40年以上経った本作など、映画先…
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映画評「ノースマン 導かれし復讐者」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年アメリカ=中国=イギリス合作映画 監督ロバート・エガーズ ネタバレあり 紀元9世紀末から10世紀前半の北欧のお話。 スカンジナビアの小国王イーサン・ホークを殺して地位を簒奪した弟クレス・バングは王妃ニコール・キッドマンを奪うが、王子を殺し損なって逃げられる。成人してアレクサンダー・…
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映画評「呪呪呪/死者をあやつるもの」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年韓国映画 監督キム・ヨンワン ネタバレあり 僕が初期からサスペンスを感じない代表格として挙げて来たゾンビものは一時ほどではないものの、まだまだ作られているらしい。韓国製の本作は、直球のゾンビ映画ではなく、変化球である。その詳細は梗概にて。 製薬会社の関係者が正体不明の人物に殺される…
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映画評「バラ色の人生」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1948年フランス映画 監督ジャン・フォーレ ネタバレあり プライム・ビデオにて。  ジャン・フォーレという監督は日本では本作のみが紹介されている。本作の殊勲は脚本(ルネ・ウェレル)にあると思われるが、それでもこれだけの作品に仕上げた腕は評価されても良く、他の作品も観てみたい気にさせられる。 …
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映画評「破局」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1950年アメリカ映画 監督マイケル・カーティス ネタバレあり アーネスト・ヘミングウェイの長編小説「持つと持たぬと」の再映画化で、ハワード・ホークス監督「脱出」(1944年)のリメイク。  「脱出」が、奇しくも本作同様マイケル・カーティスが監督した「カサブランカ」(1942年)の作り直しみた…
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映画評「ナイルの宝石」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1985年アメリカ映画 監督ルイス・ティーグ ネタバレあり 1980年代ヒットした「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」の続編で、二番煎じのそしりを免れず、実際の出来栄えも落ちるが、その昔二番館(名画座)で見た僕はそれなりに楽しんだ。 前作の冒険で結ばれて世界一周中の山師マイケル・ダグラスと閨…
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映画評「ミラクル・ニール!」

☆☆★(5点/10点満点中) 2015年イギリス映画 監督テリー・ジョーンズ ネタバレあり テリー・ジョーンズ監督のSFコメディー。 宇宙の彼方で地球を壊滅させるかどうかを有力エイリアンたちが議論している。彼らは無作為に選んだ、英国でしがない小学教師をしているサイモン・ペッグの行動により判断しようと彼に全能を授け、10日…
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映画評「ブルーサンダー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1983年アメリカ映画 監督ジョン・バダム ネタバレあり 再鑑賞作品。3回目かもしれない。 ロサンゼルス市警ヘリコプター隊のベテラン警官ロイ・シャイダーが新人のダニエル・スターンと巡邏中に、中年女性が強盗団と思われる二人組に襲われる事件に遭遇、連中をやっつける活躍する。 ここは、単な…
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映画評「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2022年アメリカ=日本合作映画 監督マリア・シュラーダー ネタバレあり “Me Too”運動のきっかけとなった映画製作者ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラに関して調査を続けたニューヨークタイムズ紙の二人の女性記者ミーガン・トゥーイー(キャリー・マリガン)とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)…
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映画評「砦のガンベルト」

☆☆★(5点/10点満点中) 1967年アメリカ映画 監督ゴードン・ダグラス ネタバレあり 西部劇の砦ものではあるが、良くも悪くも典型的とは言えない。NHK-BSから録画したものを鑑賞。 1876年。クレンデニン砦で軍人たちが壊滅し、拳銃一丁が残されているのが発見される。という謎めいた始まりは、有名な冒険映画「ボー・ジェ…
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映画評「抜き射ち二挺拳銃」

☆☆★(5点/10点満点中) 1952年アメリカ映画 監督ドン・シーゲル ネタバレあり 高校野球に続き世界陸上が始まり、色々と忙しいので、90分を切る映画を探してこのB級西部劇に至る。観たことがあるような気もするが、少なくともブログに上げていないのは確実なので、観ることにした。 カリフォルニア。砂金採掘場の権利を強奪し、…
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映画評「桜色の風が咲く」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2022年日本映画 監督・松本准平 ネタバレあり 世界で初めて大学常勤教員となった盲聾者である福島智教授の伝記映画。内容はヘレン・ケラーと野口英世を足して2で割ったような感じである。 教授は1962年生まれ。生まれつき高い眼圧の為に3歳で右目、9歳で左目の視力を失った智君は、聾学校在学中(田…
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